介護を受けている方や体が不自由な方にも、当然ながら歯科治療は必要です。「訪問診療」とは、このような方々のご自宅や入院先、老人福祉施設などへお伺いして歯科治療を行うメニューです。全身の機能が弱っているお年寄りや寝たきりの方が歯の病気にかかると、痛みや歯のグラつき、口臭などという症状のみならず、自分の歯できちんと噛めないために食生活が損なわれ、さらに全身を弱らせる原因になってしまいます。
逆に、お口の中の環境を整えて自分の歯でしっかり噛めるようになると、脳への刺激が強くなって認知症などの予防にも役立つことがわかっています。
日本の高齢化が進み、現在では歯科治療が必要なのに通院は難しい、という患者さんが増えています。このような患者さんの健康を守るのが、訪問診療の目的です。訪問診療では、ご自宅や入院先へ歯科医師や歯科衛生士がお伺いして、日常の歯のお手入れやむし歯・歯周病治療、さらに入れ歯製作などの高度な処置も行います。訪問診療は、今後ますます必要とされる分野となるでしょう。